契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「ちょっとごめん、みんないい?」
開店準備中のところ、美冬はスタッフをそっと呼び出す。
美冬の声にスタッフは作業していた顔を上げて、美冬の周りに集まった。
「今、林さんから聞かれて皆も聞かれるかもしれないから一応言っておくね。婚約しました」
わあっとミルヴェイユのスペースから明るい声があがってしまう。美冬はしー、と人差し指を口元にあてた。
「みんな静かに。婚約したことは言っていいしニュースリリースがあると思いますと言っていいわよ」
皆が口々におめでとうございますとか、素敵な指輪ですよね、気になっていたんです!と盛り上がっている中、美冬は杉村と石丸のじっとりとした視線を感じていた。
──あとで説明しますって~……。
開場と同時に来てくださったお客様と少しお話をしたところで美冬は杉村と石丸に首根っこを掴まれた。
「社長、説明していただきますから」
「僕だって何も聞いてないんだけど!」
引っ張りこむように控室に連れていかれる。
従業員用の控室は販売用の会場とは別に用意してもらっている宴会場で、飲み物なども用意されているのだ。
開店準備中のところ、美冬はスタッフをそっと呼び出す。
美冬の声にスタッフは作業していた顔を上げて、美冬の周りに集まった。
「今、林さんから聞かれて皆も聞かれるかもしれないから一応言っておくね。婚約しました」
わあっとミルヴェイユのスペースから明るい声があがってしまう。美冬はしー、と人差し指を口元にあてた。
「みんな静かに。婚約したことは言っていいしニュースリリースがあると思いますと言っていいわよ」
皆が口々におめでとうございますとか、素敵な指輪ですよね、気になっていたんです!と盛り上がっている中、美冬は杉村と石丸のじっとりとした視線を感じていた。
──あとで説明しますって~……。
開場と同時に来てくださったお客様と少しお話をしたところで美冬は杉村と石丸に首根っこを掴まれた。
「社長、説明していただきますから」
「僕だって何も聞いてないんだけど!」
引っ張りこむように控室に連れていかれる。
従業員用の控室は販売用の会場とは別に用意してもらっている宴会場で、飲み物なども用意されているのだ。