契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
12.ナニしに来たの?
四人で会場に戻り、片倉と浅緋は会場内を散策してくると離れて、美冬と槙野はその場に残る。
美冬がちらりと見ると、槙野は頷いてくれた。
そうして杉村と石丸に歩み寄っていく。二人は槙野を見て緩く頭を下げた。
「杉村さん、石丸さんお久しぶりです。驚かせてしまってすみません」
槙野は笑みを浮かべて二人に挨拶をする。
「槙野さんお久しぶりです。驚きました」
杉村は相変わらず表情は変わらないけれど、怯まずに驚いたと槙野に伝えているところが、彼女らしい。
石丸は口は開かなかったけれど、腕を組んで静かに槙野と美冬を見ていた。
「急だったんですね」
「はい。一目惚れでしたから」
結婚や二人の関係について、どこででも槙野はそうやってキッパリ言ってくれる。
けれど槙野にだけそう言わせるのは美冬は違うのではないかとつい口を挟んでしまう。誤解はされたくない。
「それだけじゃないわよ、私もそれでいいって思ったの。槙野さんは私のこともきちんと考えてくれるし、おじいちゃんにも気に入られているようだし」
「会長が……」
美冬がちらりと見ると、槙野は頷いてくれた。
そうして杉村と石丸に歩み寄っていく。二人は槙野を見て緩く頭を下げた。
「杉村さん、石丸さんお久しぶりです。驚かせてしまってすみません」
槙野は笑みを浮かべて二人に挨拶をする。
「槙野さんお久しぶりです。驚きました」
杉村は相変わらず表情は変わらないけれど、怯まずに驚いたと槙野に伝えているところが、彼女らしい。
石丸は口は開かなかったけれど、腕を組んで静かに槙野と美冬を見ていた。
「急だったんですね」
「はい。一目惚れでしたから」
結婚や二人の関係について、どこででも槙野はそうやってキッパリ言ってくれる。
けれど槙野にだけそう言わせるのは美冬は違うのではないかとつい口を挟んでしまう。誤解はされたくない。
「それだけじゃないわよ、私もそれでいいって思ったの。槙野さんは私のこともきちんと考えてくれるし、おじいちゃんにも気に入られているようだし」
「会長が……」