契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 自分と違うシャンプーやボディソープの香り。高めの体温も心地好くてほぼ初めての場所だったのにとても良く寝れた。

 すう、すうと耳元で規則正しく聞こえる呼吸の音にも何だか安心してしまう。

もに……。ふにふにふに。
 後ろから抱きしめられ、美冬の胸元にある手が後ろから美冬の胸を揉んでくる。

──え?わざと?無意識?

 最初は美冬が腕の中にいることを確認するかのようだったのに、今度は手の平で、その柔らかい丸みを包み込むようにして揉まれる。
 美冬は胸がドキドキしてきた。

「っ……」
 漏れそうになる声を美冬は必死で抑える。いたずらな手はつんと尖った先端を指で確認していた。

 尖って凝っているのを確認すると指先でつついたり、親指と人差し指がつまんだり軽く捻ったりするのだ。

 声は出せない。その呼吸がまだ規則正しくて寝ぼけているような気がするから。
 触れられているのは胸のはずなのに、だんだんお腹の方がきゅん、としてきた。美冬は膝を擦り合わせる。

 時に強く、時に羽のように柔らかく触れられると胸の先がじんじんしてきて、かすかに触れられるのでさえ感じるようになってきてしまった。
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