契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 それよりも少しずつショートパンツの中に入ってくる手の方が気になる。

 指先はふわりと下生えを撫でる。
 そして、狭間にゆるっと触れた。

「ぁ……」
 ぬるぬるとした愛液が溢れ出てしまっていることを確認するかのように指が狭間を行き来する。

 そして零れそうに溢れている愛液のぬかるみの中、ぷくっと立ち上がっているところを器用に見つけ出して、そこを指先でくるんと触れる。

「まって……ゃ……」
 槙野の指はその敏感な一点を柔らかくこすり続けて美冬はその頂へと無理やり連れていかれた。

「美冬……」
 名前を呼ばれてハッと気付くと美冬は布団に丸まっている。胸元のファスナーは一切乱れていなかった。

 すでにスーツ姿の槙野がベッドの横に座って美冬の頬に触れて声を掛けていたのだ。
「俺は今日はちょっと早めに行かなくてはいけないから会社に出るけれど大丈夫か?」

──ゆ……夢!?なんか、すごく疲れる夢を見たような気がする。

「あ……うん。起きる」
 そう返事をして美冬は身体を起こす。

「大丈夫か?」
「うん。あ、食事は?」
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