契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「変な匂いとかはしてないよ、な?」
「いや、いつもの香水の香りですね。ブルガリでしたか? シャープな香りで雰囲気にもお似合いです。どちらかというととてもいい香りだと思いますが」
良かった。どうやら匂いは大丈夫らしい。
ではやはり、他に問題がある、ということなのだろう。
今日の早朝のことだ。うとうとしてぼうっとしている中、腕の中に美冬がいることに気付いて、槙野はきゅうっとその腕の中の温もりを抱きしめた。
ふにゃっと手に柔らかく触れるものがあって、その感触を楽しむ。柔らかくて触れているだけでも気持ちいい。
そうして、手を動かしていたら指に尖ったものが触れたのだ。つん、としていて指に軽く引っかかる。
その素直な反応が可愛らしくて、執拗に触ってしまったかもしれない。
途中で美冬の身体に触れているのだと気づいていた。
昨日の夜は押しのけられてしまったから嫌われているのかと思ったら、抵抗するでもなく、美冬は声をころしている。
寝ぼけて霞がかった思考の中で、声が聞きたい、肌に直接触りたい、と思った。
「いや、いつもの香水の香りですね。ブルガリでしたか? シャープな香りで雰囲気にもお似合いです。どちらかというととてもいい香りだと思いますが」
良かった。どうやら匂いは大丈夫らしい。
ではやはり、他に問題がある、ということなのだろう。
今日の早朝のことだ。うとうとしてぼうっとしている中、腕の中に美冬がいることに気付いて、槙野はきゅうっとその腕の中の温もりを抱きしめた。
ふにゃっと手に柔らかく触れるものがあって、その感触を楽しむ。柔らかくて触れているだけでも気持ちいい。
そうして、手を動かしていたら指に尖ったものが触れたのだ。つん、としていて指に軽く引っかかる。
その素直な反応が可愛らしくて、執拗に触ってしまったかもしれない。
途中で美冬の身体に触れているのだと気づいていた。
昨日の夜は押しのけられてしまったから嫌われているのかと思ったら、抵抗するでもなく、美冬は声をころしている。
寝ぼけて霞がかった思考の中で、声が聞きたい、肌に直接触りたい、と思った。