契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 胸に触れているうち、ファスナーに指がかかったので少しだけそれを下ろす。
 本能のように肌に触れた。

 きめ細かさが指で触れても分かるくらいのさらりとした肌と、つんと尖った先端。
 本当は唇で触れたり、舌で舐めたりしてみたい。濡れて、赤くなるまで虐めたり、甘い声を上げさせたりしたい。

 けど、今は……もっと触れてみたい場所がある。
 ショートパンツのゴムから指を潜らせて、その場所に触れた。

 指先がぬるりとした感触を伝えてきたので、嬉しくなって、さらに愛おしく感じる。

 さすがに美冬の息が乱れて、や……という甘い声が聞こえた時に、もっとぐちゃぐちゃにしたい、と強く思った。

 上の尖りと下の尖りを同時に弄っていたら、
「んっ……あ、やぁんっ……」
とささやかな声が聞こえてびくんっと身体が揺れる。美冬はそのまま眠ってしまったようだった。

 しかし、逆にハッとしたのは槙野の方だ。
 美冬の下着の中にしっかりと手を入れていた自分を確認して一気に目が覚めてしまった。

 すやすやと美冬は寝てしまっている。
 起こすのも忍びない。

 ゆっくりと身体を起こすと美冬の胸元のファスナーが開いていたので、慌てて閉める。
< 200 / 325 >

この作品をシェア

pagetop