契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「どう? 椿さんと一緒に暮らし始めたんだよね?」
片倉にしてみれば、近況をさらっと聞いたつもりだったのだ。
モテにモテていた槙野ではあったがそこは割とサッパリしていてデートをするような女性はいたようだったけれど、一緒に暮らすような人はいなかった。
おそらく椿美冬が初めてのはずだ。
片倉と槙野は単にCEOと副社長という間柄だけではない。
この会社『グローバル・キャピタル・パートナーズ』を一緒に立ち上げた、高校からの付き合いのある親友でもあるのだ。
だからお互いの交友関係もよく分かっているし、そこは詳しい。
軽く近況を尋ねただけなのに、槙野から暗いオーラが出ている。ずん……と落ち込んでいた。
「拒否られた……」
ま、まさか加齢sy……?
「ん?」
片倉が笑顔のまま固まっている。
「押しのけられてしまった。昨日のことだ。しかも美冬は寝付きが良すぎる」
「それは健康的でいいことだね」
槙野に恨みがましい目で見られて、片倉はにっこり笑う。
片倉にしてみれば、近況をさらっと聞いたつもりだったのだ。
モテにモテていた槙野ではあったがそこは割とサッパリしていてデートをするような女性はいたようだったけれど、一緒に暮らすような人はいなかった。
おそらく椿美冬が初めてのはずだ。
片倉と槙野は単にCEOと副社長という間柄だけではない。
この会社『グローバル・キャピタル・パートナーズ』を一緒に立ち上げた、高校からの付き合いのある親友でもあるのだ。
だからお互いの交友関係もよく分かっているし、そこは詳しい。
軽く近況を尋ねただけなのに、槙野から暗いオーラが出ている。ずん……と落ち込んでいた。
「拒否られた……」
ま、まさか加齢sy……?
「ん?」
片倉が笑顔のまま固まっている。
「押しのけられてしまった。昨日のことだ。しかも美冬は寝付きが良すぎる」
「それは健康的でいいことだね」
槙野に恨みがましい目で見られて、片倉はにっこり笑う。