契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「美冬さんは槙野のこと嫌ってはいないと思う。理由があるんだろう」
「ある」
槙野はこう見えて他人のことを本当によく見ている。
以前に片倉が当時婚約者だった浅緋とのことで悩んでいた時も槙野は的確なアドバイスをくれたのだ。
そういった意味では槙野は片倉と浅緋の恩人でもある。
その槙野が理由がある、と言うのならあるんだろう。
「おそらくはあるはずだ。なのにその理由が分からない。少し前まではいい雰囲気だったんだ。それを急にあんな……押し除けられたんだぞ」
「つまり、条件だなんだかんだと言っていても美冬さんが大好きで仕方ないってことだな」
「そんなことは一言も……っ」
「ショックなんだろう」
「ああショックだよ。心当たりなんて何もないからな。もしかして加齢臭かと疑って……」
「は?」
言われていることが分からなくて、片倉は槙野に聞き返す。
「だから、近くに寄ったら拒否られたから、加齢臭でもしているのかと……」
あはははっ……と片倉は爆笑してしまった。そんな姿は何年かに一度あるかないかだ。
「ある」
槙野はこう見えて他人のことを本当によく見ている。
以前に片倉が当時婚約者だった浅緋とのことで悩んでいた時も槙野は的確なアドバイスをくれたのだ。
そういった意味では槙野は片倉と浅緋の恩人でもある。
その槙野が理由がある、と言うのならあるんだろう。
「おそらくはあるはずだ。なのにその理由が分からない。少し前まではいい雰囲気だったんだ。それを急にあんな……押し除けられたんだぞ」
「つまり、条件だなんだかんだと言っていても美冬さんが大好きで仕方ないってことだな」
「そんなことは一言も……っ」
「ショックなんだろう」
「ああショックだよ。心当たりなんて何もないからな。もしかして加齢臭かと疑って……」
「は?」
言われていることが分からなくて、片倉は槙野に聞き返す。
「だから、近くに寄ったら拒否られたから、加齢臭でもしているのかと……」
あはははっ……と片倉は爆笑してしまった。そんな姿は何年かに一度あるかないかだ。