契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 敏感になっているところを舌で触れられて、その感触を感じていたらまた、下腹部がむずむずしてくる。

「っは……あ、あぁっ……や、もう……だめ……」
 逃げようとする腰を手で抑えられて逃げられなくされて、舌での刺激を繰り返される。

 ナカがきゅっと収縮して、指を逃がすまいとするかのように動いているのも分かる。
「や……イっちゃうっ……」

 槙野はその言葉通り、イヤとかダメとか言っても全然聞いてくれなくて、美冬が一際大きな声を上げて達した時自分では止めようもなく、ガクガクっとナカも足も大きく痙攣して、経験したことのない感覚を味わったのだ。

 それから一気に脱力した美冬は呆然としてしまう。
──な……なんなの……?

 自分はなにか動いたわけでもないのに、美冬は走りでもしたかのように大きな呼吸を何度も何度も繰り返す。

「ん、頑張ったな」
 満足気な槙野が緩く美冬の頭を撫でてくれて、そしてにっこり笑った。

「もうちょっと頑張ろうな」
「もう……指一本も動かない……」
「いい具合に身体の力が抜けているな。そのままにしてろよ」
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