契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 その時、先程まで指で探っていた場所にもっと熱くてツルツルとしたものが当てられた。
「え……、あ、あぁっ……」

 ゆっくりと美冬の中に入ってきたそれは指とは比べ物にならない圧迫感で、力が抜けていたはずの身体に力が入ってしまう。
 美冬の上にいる槙野の眉がきゅっと寄った。

「悪い……痛い、か?」
 痛くはない。
 唇を噛み締めて、美冬は首を横に振った。それを見た槙野は美冬の中から自身を抜こうとする。

「待って……、や。抜いちゃ……だめ」
 槙野は優しく美冬の髪をかきあげてくれる。
「でも痛そうだ」

「痛い、より、祐輔をすごく感じる……んだもん。ね、ちゃんと……できてる?」
「ん。ちゃんとできてる。はぁ……、すげぇ可愛い。奥まで入れてもいいか? もっと入れたい」

「うん。全部入れて?」
 その美冬の言葉を聞いて、槙野がゆるゆると腰を遣いつつ、奥まで入る頃には美冬は先程の言葉をちょっと後悔しかけていた。

 それでも声を掛けてくれたり、撫でてくれたり、優しくキスしてくれたりするから、最後までできたのだ。

 とんっ……と槙野の腰を感じた時は美冬は安心して息を吐いてしまった。
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