契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「だって、デザイン室のセキュリティは……」
一緒に来ていた綾奈がソファから降りて床に膝と頭をつける。
「美冬さん! 申し訳ございません!」
「綾奈さん!?」
「すべて私の監督責任です!」
床に頭を擦り付けんばかりにしているので、美冬は慌てて綾奈のそばに行って膝をついた。その肩が震えている。
そっと肩に触れて、顔を上げさせると綾奈はボロボロと涙をこぼしている。
「綾奈さん? どうしたの?」
「うちのスタッフの一人が、石丸さんのデザインをコピーしたのです」
発覚したのは、コラボ商品の納入があって『ケイエム』の店頭に商品を見に行った時だったという。
店頭を見せてもらっていた石丸が見覚えのあるデザインが商品として店頭に並んでいるのを見て、分かったことだったのだ。
確かに以前『ケイエム』の商品は数ヶ月ですべて入れ替わるということも聞いていた。
今回の商品は並んだばかりだったから気づいたことだけれど、売れてしまっていれば、再販はしない『ケイエム』なのだ。分からないことだっただろう。
それだけが不幸中の幸いだったのかもしれなかった。
一緒に来ていた綾奈がソファから降りて床に膝と頭をつける。
「美冬さん! 申し訳ございません!」
「綾奈さん!?」
「すべて私の監督責任です!」
床に頭を擦り付けんばかりにしているので、美冬は慌てて綾奈のそばに行って膝をついた。その肩が震えている。
そっと肩に触れて、顔を上げさせると綾奈はボロボロと涙をこぼしている。
「綾奈さん? どうしたの?」
「うちのスタッフの一人が、石丸さんのデザインをコピーしたのです」
発覚したのは、コラボ商品の納入があって『ケイエム』の店頭に商品を見に行った時だったという。
店頭を見せてもらっていた石丸が見覚えのあるデザインが商品として店頭に並んでいるのを見て、分かったことだったのだ。
確かに以前『ケイエム』の商品は数ヶ月ですべて入れ替わるということも聞いていた。
今回の商品は並んだばかりだったから気づいたことだけれど、売れてしまっていれば、再販はしない『ケイエム』なのだ。分からないことだっただろう。
それだけが不幸中の幸いだったのかもしれなかった。