契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 それが、美冬には分かった。
 それほどまでに槙野が好きなのだ。

 槙野は激しくは動かないけど美冬は中をぐちゃぐちゃと掻き回されているのが分かる。

 そんな動きの中に時折、堪えられないところを擦られて身体がびくんと震えて、声が漏れそうになった。

「ん? 気持ちいいところがあるな?」
 槙野は美冬の耳元に(そそのか)すように囁く。

「その身体がビクってするところ、思い切り突いてやろうか? そこ、俺ので突いて擦ったらどうなるんだろうな?」
 耳元で囁かれて、想像しただけで美冬はぶるっと身体が震えてしまった。

「や……おかしく、なっちゃう……」
「おかしくさせたい。前も言っただろう。『本当に感じまくったら、そんな話す余裕なんてねぇぞ』って」

 身体を重ねれば重ねるほど、余裕なんてなくなっていって、おかしくさせられていく。

 びくんとするところを中からその熱いもので擦られる。
 槙野には遠慮はなかった。

「んッ……あ、もぅ無理っ……立ってられないっ」

「ベッド、行くか?」
 美冬がこくんっと頷くと、抱き上げられてベッドルームに連れて行かれた。
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