契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「美冬、結婚か経営改善だ」
「結婚ー!? さっきまで彼氏と言っていたじゃない!」
祖父はつーん、と横を向く。
「結婚か経営改善だ」
悔しいことに祖父は筆頭株主だ。しかも株主にも経営陣にも顔が利く立場なのだ。
祖父が美冬をクビにする、と言えばそれは可能なのである。
◇◇◇
「杉村さん、経営改善ってなにかしら?」
「経営を良くするってことですか?」
社長室で頭を抱えていた美冬に報告に来ていたマネージャーの杉村理恵が美冬に書類を渡しながら淡々と返した。
杉村とは長い付き合いだ。美冬が『ミルヴェイユ』に入社した時、杉村は企画部でアシスタントをしていた。
当時入社したばかりの美冬は分からないことは杉村に何でも教えてもらった。
数年で異動してしまったのだが、杉村のその異動は昇進であり、美冬が代表になるときにはマネージャーとして、祖父の信頼を得ていたのだ。
美冬も側でそれを見ていたのである。実務に関しては任せて大丈夫。そう思える人物なのだ。
「結婚ー!? さっきまで彼氏と言っていたじゃない!」
祖父はつーん、と横を向く。
「結婚か経営改善だ」
悔しいことに祖父は筆頭株主だ。しかも株主にも経営陣にも顔が利く立場なのだ。
祖父が美冬をクビにする、と言えばそれは可能なのである。
◇◇◇
「杉村さん、経営改善ってなにかしら?」
「経営を良くするってことですか?」
社長室で頭を抱えていた美冬に報告に来ていたマネージャーの杉村理恵が美冬に書類を渡しながら淡々と返した。
杉村とは長い付き合いだ。美冬が『ミルヴェイユ』に入社した時、杉村は企画部でアシスタントをしていた。
当時入社したばかりの美冬は分からないことは杉村に何でも教えてもらった。
数年で異動してしまったのだが、杉村のその異動は昇進であり、美冬が代表になるときにはマネージャーとして、祖父の信頼を得ていたのだ。
美冬も側でそれを見ていたのである。実務に関しては任せて大丈夫。そう思える人物なのだ。