契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
槙野は美冬の両手を頭の上で一括りにした。
外そうともがいても、美冬の力では外せなかった。
抵抗出来ないままの美冬の身体を、槙野の目と手がゆっくりと辿ってゆく。
顔を見ていた槙野は目線を美冬の首元から胸、そして腰へと移していき、それに合わせるように大きな手の平がすうっと美冬の身体をなぞっていった。
「んっ……」
思わず美冬の背中が浮いてしまう。
くすりと笑い声が聞こえた。
槙野のことだから、抱くとしたら直接的に抱かれるんだろうと美冬は思っていたし、そんな覚悟はしていた。
けれど、こんなこんな風に焦れるくらいに、そっと優しく触れるなんて考えていなかったから。
「抵抗、しないんだろう?」
いつもみたいにからかうような声に美冬はカッとした。
「しないのは本当。でも槙野さんがそんな風にするからっ! 思ったのと……違うから」
「へぇ? どういう想像されていたんだろうなあ? 是非とも聞きたいよ、美冬」
(恥ずかしっ!)
「……べ、別に想像とかしてないからっ! それに想像なんてできないよ。したことないんだもん」
外そうともがいても、美冬の力では外せなかった。
抵抗出来ないままの美冬の身体を、槙野の目と手がゆっくりと辿ってゆく。
顔を見ていた槙野は目線を美冬の首元から胸、そして腰へと移していき、それに合わせるように大きな手の平がすうっと美冬の身体をなぞっていった。
「んっ……」
思わず美冬の背中が浮いてしまう。
くすりと笑い声が聞こえた。
槙野のことだから、抱くとしたら直接的に抱かれるんだろうと美冬は思っていたし、そんな覚悟はしていた。
けれど、こんなこんな風に焦れるくらいに、そっと優しく触れるなんて考えていなかったから。
「抵抗、しないんだろう?」
いつもみたいにからかうような声に美冬はカッとした。
「しないのは本当。でも槙野さんがそんな風にするからっ! 思ったのと……違うから」
「へぇ? どういう想像されていたんだろうなあ? 是非とも聞きたいよ、美冬」
(恥ずかしっ!)
「……べ、別に想像とかしてないからっ! それに想像なんてできないよ。したことないんだもん」