雨降り王子は、触りたい。



「へー」



そう零した市川は、興味津々と言わんばかりに両膝をついてにっこりと笑った。



「みんなピュアだなぁ」



市川の言葉に、カッと頬が熱くなる。
そして次の瞬間。



「わ、私はこんなことないよ!」



─────なぜだか勝手に口が動いていた。



強がってどうすんの私…!

なんか、なんとなく、隣に座る"ピュア"という言葉が似合う、可愛いのえると比べられるのが恥ずかしくて。

反射的に、つい……。


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