雨降り王子は、触りたい。



…そういえば。
昨日の夜、市川から何か送られてきていたような気がする。

だけどその時の私は、それどころじゃなかったんだ。



「既読、すぐついたのになー」

「ご、ごめん」



たしか…

【明日、話せない?】

───そんな内容だった気がする。

話ってなんだろう…と、



「絃〜、次体育だよ!はやく帰ろっ」



ドアの方から和佳の声が飛んできて、私はハッとした。



「ほんとだ!」



慌てて机の上を片す。

しかし、三咲と市川の会話が耳に入ってきて。



「俺らも体育じゃんー。留衣、今日は来なよ。」

「無理。サボる。」



思わず足を止めてしまった。


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