雨降り王子は、触りたい。
「…わかりやすいし」
「前まで女子なんか全員一緒、みたいな態度だったくせに〜」
銀太はニヤニヤと悪い笑みを浮かべる。
確かに銀太の言う通り、雨宮と関わるまでは女子なんてみんな同じだと思っていたし、どうだってよかった。
だけどあの日、雨宮の瞳があまりにもまっすぐ俺のことを映すものだから。
『私が原因のような気がするの。そうだとしたら、謝りたい。』
誰にも話すつもりのなかった自分の体質のこと、いつの間にか話していたんだ。
遠くで小さく赤い髪が揺れている。
想像通りの俊敏な動きがなんだか笑える。
あー…。ほんと、調子狂う。