雨降り王子は、触りたい。
嫉妬させることが…三咲の体質をなおす近道……?
理解し難い内容に、私は呆然と立ち尽くす。
「や、意味わかんな…」
あまりにもまっすぐこちらを見据える市川の視線が痛くて。
ふいっとそらした、その時だった。
「………へ?」
視界が揺れて。
────ぎゅっ
くらっとする匂いに包まれた。
一瞬何が起きたかわからなかったけれど、鼻腔をくすぐるその匂いに、触れた温度に、すぐに頭が追いつく。
「なっ」
なんで私、市川に抱き寄せられてるの!?