雨降り王子は、触りたい。



「三咲たち、この辺で何か食べたらそのあとはカラオケって流れじゃない?」



黙ったままの私に、和佳はニヤリと笑ってそう言った。



素直になったって、行動したって、思った通りになるとは限らない。

だけど、慣れないナイフでパンケーキをつついてるのは私らしくないのかもしれない。



「カラオケ、行こ!!!」







店を出ると、強い日差しが私たちを出迎えた。

勢いで店を出たものの、まるで無計画。

三咲に会ったところでどうしたらいいかもわからないし、そもそも会えるかわからない。



だけど気持ちを自覚してしまうと、ソワソワして。

パンケーキどころではなくなってしまったんだ。


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