雨降り王子は、触りたい。
「…べつに、大丈夫。」
勢いでここまで来たけれど。
冷静になると私、結構大胆なことをしてしまったのかもしれない。
三咲の手を取ってここまで走ってきたことを思い出すと、ジワジワと恥ずかしさが押し寄せてきて。
穴があったら入りたい…!
─────だけど。
『……助けて』
どうするのが正解かはわからなかったけれど。
あんなことを言われて、じっとしてはいられなかった。
…一体何があったんだろう。
しばらくして落ち着いたのか、三咲はタオルを鞄にしまいながら口を開いた。
「…飲み物買ってくる。何がいい?」
「私も行く」