雨降り王子は、触りたい。



関係ない、関係ない…。

そう自分に言い聞かせるけれど、なんだか心には霧がかかっていて。

先程の映像が頭の中で再生されるたびに、それはさらに濃くなり太陽を隠していく。

モヤモヤを吹き飛ばそうと激しく首を振ってみても、そんなんじゃ吹き飛んでくれるわけがない。

一向に晴れ間は見つからない。



「……はぁ」



今日何度目かのため息を吐いた。


もし、私のせいだったらどうしよう……。


そしてやり場のない感情をつま先に乗せて。

ローファーに足を、捻じ込んだ。




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