雨降り王子は、触りたい。



それに、素直になるって決めたんだ。

だからその第一歩。
友達にも、素直に。



和佳とのえるは想像通り、悪代官みたいな顔で「いい感じじゃ〜ん」なんて冷やかしてきたけど。

「応援してる」って言ってくれて。

話してよかったなって、そう思った。



「報告待ってるよぉ」



和佳の後ろからひょこっと顔を出したのえる。



「…うん」



私はコクリと頷く。

素直になるのはやっぱり少し照れくさい。

だけどこの調子で、三咲に対しても素直になるんだ…!



「じゃあね!」

「絃、ふぁいとぉ」



2人に背中を押されるようにして、私は下駄箱へと向かった。


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