雨降り王子は、触りたい。
「和佳、のえる、またね!」
そう言うと、私は2人に手を振った。
「また明日〜」
「ばいばぁい」
のえると和佳は、今日中に提出の課題があって居残りするらしい。
なので、私は久しぶりに1人で下校するのだけど。
1人だと……余計に昨日のことを考えてしまう。
あの可愛い店員さんと三咲、どういう知り合いなんだろう。
前に何かあったのかな。
………いや、絶対何かあったよね。
うーん…と難しい顔で校門を抜けた時だった。
「あ、赤髪の人!」
「うわっ!!!」
突然目の前に飛び出してきた人影に、思わず大きな声がでた。
どっくん、どっくんと心臓が暴れ回る。