雨降り王子は、触りたい。



話って……何だろう。

きっと…ううん、絶対三咲のことだと思うけど。

内容は全く見当がつかない。

見当がつかないのに……不穏な予感がするのはなんでだろう。

鼻歌を歌いながら歩く店員さんの後ろを、私は重い足取りでついて行く。



辿り着いたのは駅近くの、ハンバーガーチェーン店。

いつもなら嗅ぐと食べたくなるポテトの匂いも、今はなんだか胸焼けしてしまう。

隣でアップルパイとミルクティーを頼む彼女を横目に、私はコーラを注文した。



「じゃあ、ここ座ろう!」



彼女が指さしたテーブル席に、向かい合って座る。

なんかちょっと…緊張する。


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