雨降り王子は、触りたい。



グラスになみなみ入る白濁した黄緑色の飲み物を、絃ちゃんの前に差し出す。



「これ、俺のオススメ。飲んで」

「え、は?」

「飲んで何入ってるか当ててみて」

「えぇ……」



明らかに困惑している絃ちゃん。



「で、これ、お金」



畳み掛けるようにして、俺は1000円札を机に置いた。



「なんで、」

「ちょっと、銀太に呼ばれたから、俺行くね」

「はぁ!?」

「今日はありがと」


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