雨降り王子は、触りたい。
◇
私たちは駅の方向へ歩いて。
途中、人気のない公園を見つけた。
そこにあるベンチに並んで座る。
涙はもうすっかり引いたけれど、泣いてすぐ触れた外の空気は私の頬を冷たくした。
そういえば前に、泣くとスッキリするって聞いたことがある。
だけどなんだか、今はどっと疲れが押し寄せてくる感覚。
頭が重くなるし目も腫れるし、私はできれば泣きたくなんかない。
そう考えると、三咲の体質は想像以上に辛いものなのかもしれない。
ちらりと三咲に目をやる。
相変わらず整った横顔に、また身体が熱を思い出す。