雨降り王子は、触りたい。







私たちは駅の方向へ歩いて。
途中、人気のない公園を見つけた。

そこにあるベンチに並んで座る。

涙はもうすっかり引いたけれど、泣いてすぐ触れた外の空気は私の頬を冷たくした。



そういえば前に、泣くとスッキリするって聞いたことがある。

だけどなんだか、今はどっと疲れが押し寄せてくる感覚。

頭が重くなるし目も腫れるし、私はできれば泣きたくなんかない。



そう考えると、三咲の体質は想像以上に辛いものなのかもしれない。

ちらりと三咲に目をやる。
相変わらず整った横顔に、また身体が熱を思い出す。

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