雨降り王子は、触りたい。



多分、雨宮がアイツに捕まった、次の日。
今度は俺がアイツに捕まった。

校門を出てすぐのところ。



『ずっと会いたかったんだぁ』



突然現れたアイツ。

そう言った政田を素通りしようとすると。
政田は俺の腕を、思い切り掴んだ。

俺の体質のこと、知っているくせに。



『無視したらみんなにバラしちゃうよ〜』



その笑顔は悪魔そのものだった。



次の日も政田に待ち伏せされて。



『触られたくなかったら遊ぼうよ』



ゲーセン、カフェ、買い物。
強引に連れ回された。

このままだと毎日、付き纏われる。

そう思った俺は次の日から速攻で帰宅するようにした─────。

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