雨降り王子は、触りたい。
どくん、どくん、どくん。
太鼓みたいに大きく響く音。
うるさい心臓を抱えたまま、私は三咲と帰路を辿った。
言いたいことって、なんだろう。
すっかり萌絵ちゃんのことは頭からすっ飛んで。
そんなことばかり考えてしまう。
三咲の熱っぽい瞳を思い出すと、胸が焼け焦げそうだ。
────なんて。
部屋のベッドで足をジタバタさせていると。
ブー…
スマホが震えた。
そこに届いたのは、市川からのメッセージ。