雨降り王子は、触りたい。
【何回もごめん、萌絵のことで。明日の昼から─────】
萌絵のこと……。
画面に映る文字を頭でなぞると。私は、はっとする。
なに浮かれてんの私……!
まだなにも、解決してないじゃん!
私は急いで返信を打った。
【わかった】
踏み込んでいいか悪いかなんて、もう知らない。
『アイツ、俺の体質のこと知ってるから。軽い脅し、的な』
あんな思い詰めた顔、させたくない。
三咲が嫌な思いしてるなら、私はそれを取り除きたい……!
◇
次の日、土曜日。
ランチタイムを少し過ぎたくらいの時間。
相変わらずカップルがずらりと列を作っている、ラヴ・アラモード。
今日私が一緒に並んでいるのは……。