雨降り王子は、触りたい。



【何回もごめん、萌絵のことで。明日の昼から─────】



萌絵のこと……。

画面に映る文字を頭でなぞると。私は、はっとする。

なに浮かれてんの私……!
まだなにも、解決してないじゃん!

私は急いで返信を打った。



【わかった】



踏み込んでいいか悪いかなんて、もう知らない。

『アイツ、俺の体質のこと知ってるから。軽い脅し、的な』

あんな思い詰めた顔、させたくない。

三咲が嫌な思いしてるなら、私はそれを取り除きたい……!









次の日、土曜日。
ランチタイムを少し過ぎたくらいの時間。

相変わらずカップルがずらりと列を作っている、ラヴ・アラモード。

今日私が一緒に並んでいるのは……。

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