雨降り王子は、触りたい。
もしかして私、また同じことしてる?
勝手に決めつけて、自分の首絞めて。
「チカがしつこかったんだ。俺と政田がお似合いとかなんとか。それに否定すんのがめんどくさくなって。適当に返事したことはあるけど」
「……そうだったんだ」
なにやってんの私。
三咲が萌絵ちゃんのこと好きなんじゃないかって、2人は付き合ってるんじゃないかって、想像を膨らませて落ち込んでいた時と何も変わってない。
────いつまでもこんなんじゃ、ダメだ。
今度こそ、変わらなくちゃ。
「三咲、あのね────」
「っていうかさ」
勇気を出して絞り出した言葉は、三咲の声に遮られた。
そして相変わらず不思議な色をした瞳が、私を捕まえて。
私は思わず押し黙る。
「なんでチカとラヴ・アラモードにいたわけ。……むかつく」