雨降り王子は、触りたい。
「その時、俺から言わせて」
あの日と同じ熱っぽい目で、真面目な顔で、三咲は言った。
「……うん、わかった」
熱を移された私は、小さく頷く。
そんな私を見て、三咲は安心したように少し口元を緩めた。
ドクン、ドクン。
息が苦しいくらい、心臓が暴れている。
「……なあ。月曜、放課後時間ある?」
続けて紡がれた言葉に、私はもう一度首を縦に振った。
ボーッとするし、動悸も激しいし、本当に発熱してるみたい。
だから"恋の病"って言葉があるのかな?
……なに変なこと考えてるんだろ。
だけどそのくらい、脳みそが使い物にならなくらい、もう三咲のことでいっぱいいっぱいだ。
明日は日曜日。
月曜日まできっと、この調子。
ずっと、三咲のこと考えて過ごすと思う。