雨降り王子は、触りたい。
15 : もう限界
「俺、ちゃんと雨宮に触りたい」
別れ際に、三咲は言った。
「だから月曜日……よろしく」
よろしくって、何が?
思った通り、日曜日はずっと三咲のことばかり考えて。
ついにやってきた、月曜日の放課後。
【屋上、きて】
メッセージが届いて、私は屋上へと向かった。
三咲に、会える。
はやる気持ちが抑えられなくて、階段を全力で駆け上がる。
すると。
「……なに焦ってんの」
屋上に繋がる扉の前。
階段を椅子のようにして座る三咲が、眉を下げて笑った。
「え、外出ないの?」
「あー、カギ閉まってたわ」