雨降り王子は、触りたい。



私はなんとなく、姿勢を正す。



「うん」

「体質なおすためには、やっぱり慣れていくことが大事なのかなって思って」

「うん」

「練習……って言ったら変かもだけど」

「……うん」

「…………触っていい?」



どっかん!

私の心臓はついに破裂した。



もう随分前から三咲には心臓、狂わされっぱなしだったけど。
トドメを刺されたような気がする。

なにその、甘めのセリフ。

あの、女嫌いと噂されていた三咲の口から吐かれた言葉とは思えない。



「う、ん……」



私はたじたじになりながらも、小さく頷いた。


< 412 / 451 >

この作品をシェア

pagetop