雨降り王子は、触りたい。



私は涙が出る体質ではないから、三咲の気持ちを全部理解することはできないかもしれないけれど。

もし傍にいてもいいのなら、それが少しでも支えになるのなら、私は三咲の隣にいたい。



「……ずっと一緒に練習しよ」



初めて口から零れた、素直な言葉。

なおるまで練習付き合うし、なんなら朝練も、居残り練習だって……。



柔らかな金髪がふわりと揺れると、三咲の顔が露わになる。

三咲は目にいっぱいの涙を溜め込んで、鼻を真っ赤に染めていて。

愛おしい。
そんなこと言ったら三咲、怒るかな。



だけどもう、自分の中だけで抑えられそうにない。
どうしたらいいかな?


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