雨降り王子は、触りたい。
ぱたん、と布団に沈む足。
私は寝返りを打ち仰向けになると、抱き締めている枕を胸の高さまで下ろす。
………待って。キス、したけど。
その後───
『………雨宮?』
たしか三咲に呼ばれて、だけどいっぱいいっぱいで。
私、無視してそのまま逃げちゃったよね!?
力が抜けた私の腕から、ぽとり。枕が転げ落ちる。
やってしまった。
めっちゃ感じ悪いじゃん私。
なんかキスされて、嫌だったみたいじゃん……。
嫌だなんて、少しも思ってないのに。
むしろ言葉よりもずっと、三咲の気持ちが伝わってきた気がして、嬉しかった。
……もう、拗れたくない。
思い立ったら即行動!