雨降り王子は、触りたい。



三咲の目が優しい色をするものだから。

自分の胸がぐっと熱くなるのを感じる。



「私も……好き」



─────やっと口に出すことができた、素直な気持ち。

恥ずかしいし、なんか泣きそうだし、絶対変な顔になってるし、もう心臓飛び出てきそうだけど。

ずっと、言いたかった。

知ってほしかったんだ。この気持ち。





初めは三咲のこと、ムカつく奴って思っていて。



『俺は女に触ると、涙が出る』

だけど衝撃の事実を知って、秘密を共有して。



『おいそこの赤髪。』

顔を合わせるたびに話すようになって。


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