雨降り王子は、触りたい。
「…私、もう人を上面だけ見て決めつけない。だから三咲も私のこと、女だから苦手だって決めつけないで。」
私が真剣な顔で言うと、三咲は呆れたように溜息を吐く。
「なにそれ」
そして三咲はくるり、こちらに背中を向けた。
その耳はなぜかほんの少し、赤くなっている。
「……とりあえず。俺の体質のこと、誰にも言うなよ。」
そう言って顔をこちらに向けた三咲は、目がくらみそうなくらい眩しくて。
それはきっと、強い日差しが金色の髪に反射しているからだ。
…きっと、そうだ。
「うん。」
私はニッと笑った。