雨降り王子は、触りたい。
私にある経験といえば、それも"ソラキュア"での話。
快晴レッドが稀にピンチに陥ったとき、助けてくれるヒーローがいて。
その、"アンブレラ様"に私は胸をときめかせていた。
これを初恋と呼ぶのは少し違うのかもしれないけれど。
本当にこれくらいしか、そういうことには縁がないまま過ごしてきた。
─────だけど、連絡先交換なんて。
和佳が言うように、いい感じの関係に見られたっておかしくない。
逸らすことなくこちらを見ている三咲に、私は眉を寄せた。
いや、でも………なんか。
怪しくない?