雨降り王子は、触りたい。



「きったなぁ!!!」

「いやごめん…いきなり意味不明なこと言うからびっくりしすぎたわ……」



いくらなんでも、今日の天然発言は度が過ぎている。

爆弾が投下されたせいか、私の心臓の動きはドクドクと速くなった。



「えぇだって、何人か言ってたよ?派手髪カップル誕生〜とかって」

「はぁ!?」

「んぇ、付き合ってないの?」



キョトンとするのえるに、はぁ…と今世紀最大のため息が出た。

それはもう、遠くに見える教頭先生のカツラくらいなら吹き飛ばせそうなくらいの、大きいやつ。



「付き合ってるわけないじゃん…」



どこから湧いて出た噂だよ。

ちょーっと喋るようになったからって、すぐそういう風に話作って。

信じるのえるものえるだし!


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