雨降り王子は、触りたい。



米粒まみれのミートボールを箸で掬い上げ、口へと運ぶ。

………甘辛くて美味しい。



「でもでも、仲良いのは事実じゃん?何で急にそうなったのぉ?」

「それは気になるわ」



頷いた和佳の自慢の白髪は、照りつける日差しを味方にしてギラギラと光っている。

…暑い。

そう思うのは気温のせいなのか、それとも両サイドから私の顔を覗き込む、2人の女のせいなのか。



「やっぱあの日?絃が三咲のメガネ外しに行った…」

「っていうか、メガネ外した顔どうだったぁ!?」

「メガネの形にニキビって絶対嘘だよね?」



方向性の定まらない質問が、矢のように飛んでくる。


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