極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
――家族旅行で乗った、遠い日のセレブリティクイーン。
大人ばかりの船で仲良くなった少年たち……。
でも、思い出そうとすると、翔一郎さんのリアルな気配が邪魔をする。
肩を寄せてピアノを弾く翔一郎さんから伝わってくる、男の人の匂いや体温。
「…………!?」
その時、翔一郎さんがピアノを弾きながら、片手を伸ばしてわたしに覆いかぶさってきた。わたしの側にある鍵盤を叩く必要があったのだろう。
でも……近い。
抱きしめられているような体勢で、翔一郎さんの息づかいまで感じる。せっかく動かし方を思い出してきた指が乱れてしまう。
「あの、翔一郎さ……」
そして、わたしが制止する前に翔一郎さんが立ちあがった。
わたしの背後から腕を伸ばして、また『愛の夢』を弾きはじめる。
「あ……」
わたし、本当に抱きしめられてる……。
うしろから翔一郎さんが伸ばした両腕の中に囚われて、少しも身動きができない。
もう翔一郎さんが一人で弾いているようなものだった。
わたしはただ両手を鍵盤に置いているだけ。
「鞠香、この曲は好き?」
耳もとでささやく低い声。
大人ばかりの船で仲良くなった少年たち……。
でも、思い出そうとすると、翔一郎さんのリアルな気配が邪魔をする。
肩を寄せてピアノを弾く翔一郎さんから伝わってくる、男の人の匂いや体温。
「…………!?」
その時、翔一郎さんがピアノを弾きながら、片手を伸ばしてわたしに覆いかぶさってきた。わたしの側にある鍵盤を叩く必要があったのだろう。
でも……近い。
抱きしめられているような体勢で、翔一郎さんの息づかいまで感じる。せっかく動かし方を思い出してきた指が乱れてしまう。
「あの、翔一郎さ……」
そして、わたしが制止する前に翔一郎さんが立ちあがった。
わたしの背後から腕を伸ばして、また『愛の夢』を弾きはじめる。
「あ……」
わたし、本当に抱きしめられてる……。
うしろから翔一郎さんが伸ばした両腕の中に囚われて、少しも身動きができない。
もう翔一郎さんが一人で弾いているようなものだった。
わたしはただ両手を鍵盤に置いているだけ。
「鞠香、この曲は好き?」
耳もとでささやく低い声。