極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました～一途な海運王の華麗なる結婚宣言～

　その時、自分の意志を通すために必要なのは、実力。会社の業績を上げ、誰にも文句を言わせないようにする力が必要だ。
　マリカ――花野宮鞠香を手に入れるために。

『学校の勉強以外もがんばります。海堂ホールディングスの仕事や経営について教えてください』
『いいだろう』

　俺は今まで以上に学業、スポーツ、そして学校を中心とした人間関係の形成に力を入れた。
　大企業の経営者や著名人の子女が集まった母校。いずれそこでの人脈が必要となる日が来る。

　ところが、セレブリティクイーンで過ごした夏から、しばらく経ってからのことだ。
　俺は父から衝撃的なニュースを聞かされた。

『花野宮の会社が……!?』

　鞠香の父親が経営している会社が倒産したというのだ。

『ああ、連鎖倒産らしい』

　さすがの父も情報をつかんでいなかったようで驚いていた。

　花野宮貿易は食品関係を主に扱う貿易会社だった。イギリスのロンドンに拠点がある。
　取引先の企業が経営不振に陥り突然倒産、その影響で花野宮貿易も立ち行かなくなり、大きな借金を抱えて潰れてしまった。