極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「ここだな。以前、鞠香も会ったことがあるリサが店長をしているドレスショップだ」
プロムナードをゆっくりと歩いていくと、ブランドショップの並ぶ一角へ出た。この道をさらに進むと、一昨日見学したチャペルに至る。
ドレスショップはそのチャペルの手前にあった。
表のウィンドーにはさまざまなドレスが飾られている。大人っぽいイブニングドレスから子供用のかわいらしいワンピース、純白の豪華なウェディングドレスまであって華やかだ。
中に入るとディスプレイされたドレスは少なく、観葉植物に区切られたスペースにソファーが並んでいる。ホテルのラウンジのような雰囲気だった。
奥にいくつか扉があるので、本格的な相談や発注は個室で行われるのかもしれない。
「いらっしゃいませ、ミスター・カイドウ、マリカ様」
「リサさん、こんにちは。またお世話になります」
黒髪をぱっつんと耳の下で切りそろえたリサさんは日系イギリス人で、ドレスショップのコーディーネーター兼凄腕のメイクアップアーティストだ。