極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「奥は試着室でございます。まずはこちらでカタログをご覧ください。あと――」

 リサさんがお茶を運んできてくれた女性に合図すると、一度応接室を出ていった女性が何人かの店員さんを引き連れて戻ってきた。
 彼女たちの腕には、色鮮やかなドレスを身にまとった何体ものマネキンがあった。

「わたくしのほうでもマリカ様におすすめしたいドレスをご用意いたしました。ご検討いただけましたら幸いです」

 店員さんたちが丁寧にイブニングドレスのシルエットを整えて去っていく。
 マネキンが着ているドレスはどれも素晴らしくて既製品とは思えない。

「わあ……、綺麗ですね」
「先日簡単にではありますが、マリカ様の採寸をさせていただきましたので、仮の調整はすませてあります」

 ウェルカムパーティーの時のような寒色ではなく、ワインレッドやオレンジ色といった暖色系のドレスやゴールドやシルバーの明るく輝くドレスが多い。
 ちょっと派手できつい印象に見えるけど、パーティー会場の照明の中ではこのくらいメリハリがあったほうが場にそぐうことは前回でよくわかった。
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