極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 外はまだ明るいけれど、うっすらと空に赤みが差してきている。

「お手数をおかけしてしまってごめんなさい」
「いいえ、とんでもございません。次回はオーダーメイドのウェディングドレスを作らせてくださいね」

 リサさんがにこやかに手を振っていたけれど、あの数だとサイズ直しは徹夜仕事になるかもしれない。

 女子力低めのわたしの中にもやっぱり女の子の心が潜んでいたみたい。綺麗なドレスを試着していると、ついテンションが上がってしまって……。
 結局ドレス以外にも、スマートフォーマルのワンピースや普段使いできる綺麗めのツーピースなど、何着か購入してしまった。もちろん翔一郎さんが。
 わたしは自分で払いたいと恐る恐る申し出たのだけど、翔一郎さんは『私に恥をかかせるな』と言って許してくれなかった。

 実は二人の勧めで、せっかくだからとウェディングドレスの試着もした。
 でも、そこで心の高揚が一気に醒めてしまった。
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