極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 そのヘーゼル色の瞳が本当にわたしを見ているのだと誤解しそうになる。契約の関係にすぎないのに、何かを期待してしまう。
 得体の知れないもやもやとした想いに心を占領されてしまって苦しい。

「だから、平気ですって。心配性すぎますよ?」

 わたしはあくまでも身代わり。将来現れることになる誰かの代理。
 ウェディングドレスはその女性が着ることになるのだろう。翔一郎さんは本当の花嫁もあんな目で見つめるのかしら……。

「大切にしたいんだ、鞠香」

 もう、認めなきゃいけないのかも。
 ……これは、初めての恋なんだって。
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