極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました～一途な海運王の華麗なる結婚宣言～

「こちらのピアスはいかがでしょうか。カラットは小さいですけれど、カットに工夫をこらしておりますの。普段ダイヤモンドを身に着け慣れない方でも親しみやすいリーズナブルな価格ですわ」

　すごい！　わたしを無視したまま、わたしを軽く侮辱するという高度な技だ。
　でも、ちょっとストレートすぎて、そんなに嫌味には思えないかも。

「翔一郎さん、綾乃さんがおっしゃるとおりです！　わたし、普段使いもできそうなかんじのほうがいいです」

　ひそかに目をこらして見たプライスカードはこのお店にしてはゼロが少ない。ここは綾乃さんの言葉を利用させてもらおう。

「そうか？　じゃあ、それもプレゼントしよう」
「それ……も……？」

　今、翔一郎さん、『それも』って言った？

「今回必要なのはフェアウェルパーティーのドレスに合いそうなアクセサリーだ。それではドレスと釣り合いが取れない」
「素敵なピアスですし、そんなことはないんじゃないかなー……なんて」
「そんなに気に入ったのか？　では、こちらのシリーズを全部――」
「いえいえ！　大丈夫です！　パーティー用のアクセサリーを探しましょう！」