極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
余計なものまでお買い上げしそうな翔一郎さんを必死に止めて、素早く移動しようとしたのだけど。
いやな予感は的中した。
結局本命のイブニングドレスに合わせたアクセサリー以外にも、翔一郎さんは最初のピアスとそのピアスに合いそうなカジュアルなリングを購入した。
イブニングドレス用のピアスなんて、数えたくないほどプライスカードの桁が多い気がする。
もう見なかったことにしよう……。
「海堂様、いつもありがとうございます。セレブリティクイーンの旅もあと四日ですわね。今回は親しくお話させていただけてうれしかったです」
わたしが手の中にある小さなショッピングバッグをぼう然と眺めていると、翔一郎さんと綾乃さんが話しはじめていた。
「昨夜はあのあと、どうされましたの?」
綾乃さんが白い頬をピンク色に染める。
普段はキリッとしたお嬢様なのに、なんだか初々しくてかわいらしい。潤んだ瞳が色っぽかった。
「ああ、それは……」
翔一郎さんは一瞬ばつが悪そうにわたしを見る。
うん? 昨夜……?