極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
どこかで一人飲んでいた翔一郎さんが場所を変えて別のバーに行き、そこで綾乃さんと会って、深夜まで二人でいたということ……?
ずっとわたしを無視していた綾乃さんは、ここで初めてわたしを見た。
「事情がおありなのでしょうけれど、なんのご用意もなく婚約されたのでは、あなたも大変でしょう。翔一郎さんも何か悩みを抱えていらっしゃるようでおかわいそう」
「……それは……」
「まだ遅くないですわ。今回のことは旅の思い出として大切にすればいいと思います」
翔一郎さんとの別離をすすめる言葉。
やっぱり見透かされていた。わたしが急ごしらえの婚約者だって。
特に綾乃さんはあの時わたしのワンピースが汚れた事件の当事者だ。
遠巻きにしていたほかのゲストが、ドレスとメイクで変身したわたしに気がつかなかったとしても、綾乃さんにはわかるだろう。
そうしたら当然わたしの正体が翔一郎さんが溺愛する花嫁候補などではなくて、偶然その場に居合わせた一般人だと気づくと思う。
「そんなことはありません。鞠香の準備不足は私の不徳の致すところです」
翔一郎さんがわたしをかばおうとする。
でも。
ずっとわたしを無視していた綾乃さんは、ここで初めてわたしを見た。
「事情がおありなのでしょうけれど、なんのご用意もなく婚約されたのでは、あなたも大変でしょう。翔一郎さんも何か悩みを抱えていらっしゃるようでおかわいそう」
「……それは……」
「まだ遅くないですわ。今回のことは旅の思い出として大切にすればいいと思います」
翔一郎さんとの別離をすすめる言葉。
やっぱり見透かされていた。わたしが急ごしらえの婚約者だって。
特に綾乃さんはあの時わたしのワンピースが汚れた事件の当事者だ。
遠巻きにしていたほかのゲストが、ドレスとメイクで変身したわたしに気がつかなかったとしても、綾乃さんにはわかるだろう。
そうしたら当然わたしの正体が翔一郎さんが溺愛する花嫁候補などではなくて、偶然その場に居合わせた一般人だと気づくと思う。
「そんなことはありません。鞠香の準備不足は私の不徳の致すところです」
翔一郎さんがわたしをかばおうとする。
でも。