極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「ちなみにどちらへいらっしゃいますか? 海堂様からご連絡がありましたらお伝えしておきます」
「はい。どうしようかな……。まだ行ったことがないので、カフェに向かいがてらライブラリーでも見てこようと思います」
翔一郎さんと顔を合わせる前に一人で気晴らしがしたかった。
昨夜の切なさは心の底に重く残っている。このもやもやとしたものは、きっと自分が決断するまで消えることはないだろうけど……。
少し頭を冷やしてもう一度しっかり考えたい。
「あ……山内さん? こんにちは」
「おでかけですか?」
「はい」
ライブラリーに行こうと思ってエレベーターに乗ったら、うしろから山内さんが乗ってきた。海堂家の次男、将生さんの秘書だ。
翔一郎さんによると社内には長男で副社長の翔一郎さん派と、正妻の息子である将生さん派の派閥があるらしい。山内さんはいわば将生さんの支持者。翔一郎さんとその婚約者もどきであるわたしは、なんとなく冷ややかな目で見られている。
山内さんはいつも将生さんのうしろに控えているようなイメージがあるのに、将生さんと一緒にいないなんて珍しかった。
「はい。どうしようかな……。まだ行ったことがないので、カフェに向かいがてらライブラリーでも見てこようと思います」
翔一郎さんと顔を合わせる前に一人で気晴らしがしたかった。
昨夜の切なさは心の底に重く残っている。このもやもやとしたものは、きっと自分が決断するまで消えることはないだろうけど……。
少し頭を冷やしてもう一度しっかり考えたい。
「あ……山内さん? こんにちは」
「おでかけですか?」
「はい」
ライブラリーに行こうと思ってエレベーターに乗ったら、うしろから山内さんが乗ってきた。海堂家の次男、将生さんの秘書だ。
翔一郎さんによると社内には長男で副社長の翔一郎さん派と、正妻の息子である将生さん派の派閥があるらしい。山内さんはいわば将生さんの支持者。翔一郎さんとその婚約者もどきであるわたしは、なんとなく冷ややかな目で見られている。
山内さんはいつも将生さんのうしろに控えているようなイメージがあるのに、将生さんと一緒にいないなんて珍しかった。